連帯感ある地域社会のサポーター(鈴木 勝雄)

広報誌 栃木いのちの電話 第106号

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広報誌 第106号 / シリーズ 絆

連帯感ある地域社会のサポーター
社会福祉法人 栃木いのちの電話 常務理事 鈴木 勝雄

過日、友人の叙勲祝賀会に出席のため、久しぶりに上京しました。往路は予め路線を調べて余裕を持って 会場に到着しました。帰路に心暖まる事が有りました。

往路と周囲の状況が異なったように感じ一寸悩みました。その時、父子二人連れに会い、駅までの 道順を尋ねると親切に教えてくださり、立ち去りました。

しばらく行くと先程の父子が立っており、子どもが手を振って待っていました。そこは駅の入り口、 私を待っていてくれたのです。何とも言えない感謝の気持ちになりました。

改めて、謙虚に聴くことの大切さを再認識しました。

ところで、私達は約二億分の一か二の確立で、 この世に生を受け、社会(集団生活)をつくりその中で 一生懸命に生きている。また生かされていると思います。

このことが、人間として生まれてきた意味、私達の存在価値であると思います。

私達は孤独に弱い動物です。このために社会(集団生活)を作ることから、人間は社会的動物と言われる のではないかと思います。

今は物も豊かになり、生活様式も向上しましたが、何か忘れてきたものがあるのではないか、と思います。

人間関係は、まず相手を認め、相手の意見に耳を傾ける事により始まると思います。

しかし、現実的には自分の考えを強調し、相手の意見には耳を傾けたがらない等の傾向が強いと感じて おります。

私達は自分が一番大切、同時に相手にも同じ事が言えます。話すことは「知識」、聴くことは「知恵」と 言われますが、正に人間関係は相手の意見に耳を傾ける事により始まると思います。多大な負担を担い陰徳の最たるものと思います。

かつて、新潟大学の真壁教授が援助活動に携わる三つの側面について
・豊富な知識があつても
・電話を受けることが上手でも
・根底には「心」があること
この三者が正三角形でなくてはならない。と言われたのが忘れられません。

いのちの電話の相談員は「傾聴」「受容」「共感」の精神を地域社会の中で「知行合一」を体言する必要があると思います。

このことが、悩める人をサポートし、住みよい社会づくりに繋がるものと思います。

今後も悩める人が自死を選択しようとしない、連帯感ある地域社会づくりに努めて行かなければならないと思っております。

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